出来たばかりの新しい雑誌の編集長に
”成功したいならもっとフレンドリーになりなさい。ちょっと
シャイすぎるわ。スタイルがいい子も顔がいい子もたくさんいるしょ?
だけどあなたの性格には誰も敵わないのよ。いい子だから
また使いたいって思われるようにならないと”と言われた。
すっごい有難いアドバイスなんだけど同時にすっごいショックで
ふらふらしながら家に帰ってきた。今までフレンドリーとか
社交的とかしか言われたことないのに。
絶対に遅刻はしないようにしているし、スタッフとも仲良くしているし、疲れた様子は
何が何でも見せないようにしているのに、あの日は待ち時間があまりにも長すぎて
私は一人で雑誌を読んでいたんだったっけ。だから全然話もしなかったんだったけ。
ちょっとずつ仕事が増えてきているからって大事なことを忘れていた。
あの日の私は最低だ。
ヨガのスタジオで何人かシャワーを入りながら話す人がいて、
(日本で言う裸の付き合いみたいな感じ)
その中のレイラが日本で2年間イーオンの英語の先生をしていた
ことがあったらしく”日本人はシャイだと思わなかった?”と
聞くと彼女の生徒さん達はそうでもなかったらしくて、私が
高校生の時にNOVAへ行った時は、ブロンドで青の瞳の先生で
目を見て話せなかったな・・・自分の名前を言うのが精一杯だったという話をすると
”今の自分を見てみなよ!全然違うじゃない!”と言われ、
ああ、この前と全然反対のこと言われたなあ、確かに10年前の
私だったら英語はもちろんのこと、裸でこんな風に人と
話すこともなかったなあと思って、人生って面白いと笑った。
もしかしたら私はただシャイだと思い込んでいるだけで、
本当は大してシャイではないのかなと思えてきた。
じゃあ今までずっとシャイだと思っていたのはただの思い込みなのか。
どんだけ激しいの、この思い込み。
だけど久しぶりの人に会う時は本当に緊張して目とか見れないんだよなあ。
仲が良い友達だと余計に恥ずかしいんだよなあ。
特に恋人なんて会いたくて仕方ないんだけど会いたくない気持ちになってしまうんだよなあ。
だからビール一杯ぐらい飲んでから会いたいなあっていつも思ってしまう。
写真:谷 直恵