男の人はみんな女が好き。ゲイじゃない限り、みんな女が
大好きだ。そう思えてから色んなことが楽になり
色んなことに諦めというか割り切れるようになった気がする。
とても穏やかでいつも笑顔、悲しい時や落ち込んでいる時を見たことがない、
怒っても怒鳴ったりせずに言葉を慎重に選んで傷つけないようにする器用な
プレイボーイに恋をして振られ、もう男なんて懲り懲りだ、もう男の言うこと
なんて信じない、私にはきっと見る目がないんだーーーーと塞ぎこんでいたけれど、
この人ならきっと大丈夫だ、誠実に私だけを見てくれる・・・と思った人に出会え
お互いに好意を持った。
が、ある日その彼の住んでいた家にたくさんの人が集まってみんなでお酒を飲んで
会話を楽しんでいて賑やかな夜、その誠実な私のボーイフレンドは他の女の子に恋人にするようなことをしていた。運がいいのか悪いのか私はそれを目撃してしまって、
いつもだったら見て見ぬ振りをしたのだったのだろうけれど、やっと見つけた
真面目な人がやっぱり女が、特に若い女が好きなのかと思ったら、もう部屋に
閉じこもって一生出たくなくなった。
だけど私もお酒を飲んでいて気が大きくなっていたので
「ああいうことは止めて欲しい」と一言だけ言うと
彼は嬉しそうにニコニコ笑った。私がやきもちなんてやいたことがないからだ。
嫉妬するなんて格好悪いし、カッコイイ女は黙ってるもんだとずっと思って
そう信じて生きていたけれど、そんなクールにしていられない時だってあることが
よく分かった。今日の行動は間違っていない、ああいつもは言えないけど
今日は言えたぜ!やったぜ!と思っていたら、まんまと彼が同じ子にまた同じような
ことをしていた。小一時間の間に2回も。
それ以来、その女の子はちっとも悪くないのに、悪いのは近くに恋人がいるのに
エロ心を出してしまった彼と、それを見てしまった私とそれを見逃せず許せず
覚えている私なのに、彼女を見るのが辛くて仕方なくなった。だけど意地悪
するなんて最低だし、嫌な顔もしたくないから普通を装ったけれど、
心が全然笑ってくれなかった。
自分の器の小ささに嫌気がさした。部屋に閉じこもりたくなった。
つい最近その子の名前を聞く機会があって、忘れかけていたあの日の嫉妬心と
男の人に対しての不信感が溢れ出て、ここ数日間少し苛付いている。
もっと覚えていた方がいいことがたくさんあるのに。こんな下らない事は
忘れてしまえばいいのに。
きっとホルモンのバランスのせいだ。女って色々大変。
でも、あの日があったから男の人の本質というか本能というのが
ものすごく分かって良かったじゃないか、と思えている冷静な自分もいる。
そろそろ排卵日だろうか。女って色々大変だ。